最終更新日 2025年1月9日
人間の文明は、もはや電気がなくては何もできない状態です。
いたるところに電気の力を利用した機器があり、もし停電してそれらの機器が使えなくなったら生活が不便になるだけでなく人命すら失われる危険性があります。
そんな電気を生み出す発電方法は、火力・原子力・水力・・風力・太陽光・地熱などが挙げられます。
各種発電方法のデメリット
このうち火力や原子力は、燃料を使って熱をつくり高温高圧の水蒸気を発生させてタービンを回転させることで発電をしています。
燃料を消費する形になりますから、燃料がなくなれば発電ができません。
また、火力の場合には、燃料を焼却するのでそのときには大量の二酸化炭素がつくられます。
二酸化炭素は、温室効果ガスと呼ばれているように太陽光と溜め込み気温を上昇させることから地球温暖化の原因と考えられているものです。
原子力は温室効果ガスは出しませんが、使用済み核燃料は非常に扱いが難しいものですし、事故によって放射性物質が広範囲に拡散されたら自然も人も深刻な被害を蒙ります。
大量の電気をつくれるということで発電方法の主力となっている火力・原子力ですが、自然環境そして人間の生活を守るためにも、その割合を減らして行くことが望ましいです。
再生可能エネルギーとは
そこで推し進められているのが、再生可能エネルギーの割合を増やすことです。
再生可能エネルギーとは簡単にいえば水力・太陽光・風力・地熱のように自然の力を使った発電方法です。
そのエネルギー源となる水・太陽光・風・地熱というのは、人間の手によって生まれるものではなく、地球上のいたる所で自然に発生する現象です。
水の場合には水脈が枯れてしまうことはありますが、それ以外のエネルギー源は1年を通して枯れることなく生み出され続けます。
自然を消費することなく、温室効果ガスも出さない、なおかつ電気を作り続けられるということで、理想的な発電方法と言えます。
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再生可能エネルギーの課題
では、なぜ燃料を使った発電方法に再生可能エネルギーが置き換わらないのかというと、いくつもの課題があるからです。
一つに自然に頼る部分が大きいので、発電量が安定しないということがあります。
太陽光発電を例に挙げてみると、太陽の位置というのは、季節によって変わります。
夏は日照時間が長く冬は短いですし、梅雨の時期になれば毎日雨が続いて太陽が見える時間がわずかです。
しかも、太陽光パネルというのは、光を電気に変える力を持っていますが、熱に弱いという性質があるので日照時間が長い夏はそれほどの発電量にならず、一番発電しやすいのは春から初夏にかけての時期です。
他の発電方法にも、天候に左右される部分がありますから、安定した発電というの容易ではありません。
特に日本の場合には、台風や地震といった自然災害による影響も考慮しなければいけないので、いざというときに電気が使えないというのは困ったことです。
そして、他にも、再生可能エネルギーの普及を阻んでいるのが発電コストが高いこと、電力の需給バランスを整えるために「容量面」と変動面」の系統制約があること、施設の建設や運用などに関するルールが完成していないことなどです。
もちろん、それらの課題を克服するべく、国や行政は長期的な計画を打ち立てていますが、数年で状況が変わるわけではなくしばらくは火力・原子力という従来の発電方法に頼らざるを得ません。
家庭で再生可能エネルギーの普及に貢献したい場合
なお、家庭で、再生可能エネルギーの普及に貢献したいと思ったとき、家の屋根に取り付ける太陽光発電システムが最も身近な存在でしょう。
しかし、集合住宅や日当たりが悪いところに住んでいる場合には、他の方法を探さなければいけません。
そこで鍵となるのが、好きな電力会社を選べるようになった電力小売自由化です。
電力会社の中には、環境問題に力を入れているところが少なくありません。
そういう電力会社と契約すれば、需要の高まりによって発電方法の切り替えが加速します。
それは各社が発表している電源構成というものを確認すればわかります。
火力・太陽光・水力といった種類ごとに何%という数字があり、それがどういう方法で発電されたのかという割合を示しています。
環境問題に関心がある電力会社であれば、火力や原子力の割合の割合が少なく、太陽光や水力などの割合が多くなっています。
まとめ
こういった事を踏まえて、再生可能エネルギーはどうなっていくのかというと、発電方法の主流になれるかですが、需要の高まりが増えているので、着実にその方向に進んでいることは確かです。
さらに技術も発達しており、太陽光発電パネルの性能はたかっており発電効率や寿命は良くなり、なおかつ費用が安くなっています。
それによって安価で大量の発電をできる環境が整えられるようになっているので、普及にはプラスの材料になっています。
そして、IoT機器が登場したことによりよりエネルギーを効率的につくって、消費できる環境が企業だけでなく家庭でも整ってきているので、さらにその動きは加速しつつあります。
完全に主流といえるくらいになるまでには、ある程度の時間が必要ですが希望は持てる状況です。